擬傷行動(ぎしょうこうどう)または、擬傷行為(ぎしょうこうい)をご存知でしょうか?
実際に遭遇したあるできごと
私が実際に遭遇したワンシーンがこちらです。
まだ残暑が厳しい9月のこと、実家のそばの路地に、一羽のキジバトが倒れていました。
もがいているような苦しんでいるような・・そっと近づくと、少し後ずさりして、なかなか近づくことができません。そのうち我慢比べになったのですが、あまり刺激して余計に具合が悪くなってはいけないと思い、その場を離れようとしたら、急にバタバタもがきだしたのです。いよいよ絶命してしまうのか?と思い近づくと、また後ずさり・・・
そして、ピンときました。
実家の敷地にある数本の庭木の中を注意深く見ると・・・ありました!鳥の巣が!
以前から、鳥の「擬傷行動」について少し知っていたので、それを目の当たりにして驚きました。キジバトはその巣を守る親鳥だったようです。
その後は、刺激しないようにそっとその場を離れて、1時間ほどしてから庭木を見てみると、巣におさまっている親鳥を見つけました。高い場所だったので卵や雛の有無はわかりませんでしたが。
こちらが、その時の実際の映像です。真ん中あたりに左を向いている親鳥がいます。わかるかな~・・
擬傷行動(擬傷行為)とは
擬傷行動(擬傷行為)とは、親鳥が自分の雛や卵を守るため、近づいてくる外敵に対して自分がケガをしているように見せかけて、自分をわざと襲わせることで、卵や雛へ興味が向いてしまうのを防ぐ「命がけの行動」のことです。
親鳥はケガをしたふりをしながら自分に外敵を惹きつけながら卵や雛のいる場所から離れ、危険を遠ざけます。涙なくして語れぬ、親鳥の究極の愛情行動なのです。
私が調べた範囲では、擬傷行動をとるのは主に鳥類で、シギ・チドリ類、カモ類、キジ類など地上に巣をつくる鳥でよく見られるそうです。鳥の愛情深さがよくわかる行動だと言えるかもしれません。
コチドリの擬傷行動(擬傷行為)はかなり有名で、動画をアップされている方も多いのでぜひ検索してみてください。
さて、ペットとして飼育下にあるインコたちは、もちろん外敵から身を守る必要がありませんので、このような行動は皆無だとは思いますが、同じ鳥類ですので、どこかで本能的につながっていて、同じような行動をとることがあるかもしれません。
鳥は「体調不良を隠す」と言われますが、「体調不良を演技する」のはさらに驚きですね。
鳥さんって本当に不思議な魅力がいっぱいです!