DNA検査から2週間後、検査結果が出ました。
先生から、1枚の書面を渡されました。
・・・・・PBFD +
マイナスは陰性、プラスは陽性ですと、静かに先生の説明がありました。
頭が真っ白になりました。
既にある程度それらの病気について調べていましたので・・・その意味を瞬時に理解しました。
この日から、我が家のれもんPBFD闘病生活が始まったのです。
PBFDとは
病気を引き起こすウイルスとしては最小の、直径16ナノメートルのサーコウイルスによってインコ・オウムに起こる感染症。PBFD (Pcittacine Beak and Feather Disease) オウム類のくちばし・羽毛病。
症状は・・
症状は羽毛障害(羽毛の脱落)、くちばしの変形、免疫不全による二次感染。急性感染では多くの場合死亡にいたります。また、羽毛の脱落は全身にわたるケースも多く、長期治療となるケースが多い難病です。全身の羽毛の脱落により愛鳥はかなり衝撃的な姿になってしまうこともあります。当時の情報では克服事例をほとんど見つけることができませんでした。発見されてから何十年もたっているのに、日本では有効な治療法が明確に確立されていません。インターフェロンという薬が効果があるかもしれない・・というレベルなのです。
とにかく、それでも大事なのは早期発見早期治療です。発見が遅れることはそれだけ回復の道筋が険しくなることを意味します。
現在では、早期発見早期治療のケースも増えているのか、49%の陰転(克服)率という情報もありますが、それでも決して高い陰転率ではなく、大変な難病であることは間違いありません。
負担の大きい闘病生活
いずれにしても、病鳥自身の二次感染と、ウイルスの感染拡大の両方を防ぎながらの治療となること、回復の見通しが立ちにくい治療であること、治療法が確実でないことなど、病鳥、飼い主ともに負担の大きい闘病生活となります。3か月で陰転した事例もあれば数年陰転しない事例もあります。うちのれもんは1年1か月で陰転となりましたが、とてもよかった方だと思います。
※なお、ワクチンはアメリカの研究者が開発に成功しているとの情報も聞きましたが、特許などの関係で日本には入ってきていないようです。そういうケースは少なからずあるようです。
インターフェロン治療開始
■診察れもん:10月15日
そのうは駆虫されたが炎症あり。
糞は、棒状の菌は消えたが丸い菌が残っている。
目の周りの羽が生えてきている。鼻水が出ている。
■診察れもん:10月30日
鼻水がまだ出ているのでネクトンS→Bioを使う。
まりんとは別ケージであり、症状が出ていないのでまりんには抗体がありそう。もちろん一緒にはしない。餌もわける。感染拡大対策。消毒、次亜塩素酸水。
放鳥は不可、薬は継続、インターフェロン開始。
よく見ると、風邪きり羽が両側出てきていた!
抜けるばかりだった羽に、新たな息吹が出ていたことに感激でした。ただし抜けた羽の軸には黒い部分があり、不安は募りました。
インターフェロンとは
抗ウイルス用の薬で注射または投薬によって使用します。私が知る限り、治療サイクルは14日がワンクール(注射なら14日ごと、投薬なら14日連続服用)のようです。早期に治療を開始することでウイルスの増殖を抑える働きが期待できるとのことです・・が・・PBFDに対してはっきりとした効果があるか不明瞭な点もあるようです。ただしこれ以上の治療方法も確立されていないため多くの鳥専門病院で実施されている治療方法です。我が家では30㏄の水に5㏄の粉末のインターフェロンを水でしっかり溶かして毎日飲ませる飲水療法でした。インターフェロン自体は人間の治療にも使用されていて、倦怠感など副作用もあるようです。インコも副作用があるのか・・わかりませんが、投薬を終了したれもんは投薬中に比べ活発になった気がします。
■診察れもん:11月12日
両羽、尾羽、いずれも新しい羽がどんどん出ている。そして軸もきれいなので順調。
鼻水あり、詰まってしまうの定期的にとってあげる。
そ のうに白血球が少しある、糞に菌が少しあるが大丈夫。そのうをきれいにする。
■診察れもん:11月26日
喉はよくなったので抗生剤はいったん終了。引き続き糞に細菌が多いのでお腹の治療薬に変える。
頭もお腹も羽も順調に生えてきているのでこのまま育ってほしい。
尾羽に病気の長い羽あり。ただ治療前のものかもしれない。
太りすぎ(汗)
■診察れもん:12月10日
24時間体制で餌をあげ続けたため体重増加(36g)。2g程度落とした方がよさそう。
糞がきれいになった。よかった。
■診察れもん:12月24日
夜はダイエットのため餌を抜く。ただしいきなりでなく徐々に。
糞に細菌が増えてしまった。年末で病院が休みになるため念のため抗生物質再開。
まさかのまりん急逝
12月31日まりんがひっそりと息を引き取りました。れもんの治療でどうしても暗くなりがちの我が家で、元気いっぱいの我が家のアイドルだったまりん。れもんが大好きな本当にかわいかったまりん・・でも大好きなれもんに会えなくて相当のストレスだったと思います。
そして、時は12月31日、初産で卵を続けて産んでしまい体調が極めて心配だったのですが・・どこの病院もやっておらず・・まりんはその日虹の橋へ旅立ちました。自分の不甲斐なさを呪いました。悔やみきれない気持ちでまりんに謝り続けました。ごめんねまりん・・れもんの治療でまりんの体調変化を完全に見落としました。インコは体調不良を隠す・・この時も猛烈な後悔が襲いました・・
れもんが回復基調だっただけに・・あまりに暗い正月でした。
まりんが全部持って行ってくれた
■診察れもん:1月8日
まりんのことが頭から離れないまま正月が過ぎた頃、まりんが姿を見せないことにれもんも何かを感じたようでした。まりんの分まで元気になる、と言いたげでした。
思えば、感染対策が不十分だったのかもしれません。いわゆるキャリア状態から顕在化してしまい、そのまま出産で体力を使い果たしてしまった・・そんな考えが頭をぐるぐる駆け巡る中、れもんの診察に向かいました。
れもんの経過は良好、鼻水もなくなり、糞もきれいになりました。恐らく治療後初めての合格点です。きっとまりんが全部天国に持って行ってくれたのだと本気で思いました・・・
くれぐれも暖房を欠かさないことだけ指示がありました。インターフェロンのみ継続。体重34.8g
■診察れもん:1月28日
尾羽、風切り羽が、若いまま弱い。ぐんと伸びていないのでここは頑張りどころ。頭とお腹の羽はきれい。体重は・・増えてしまった。(35.7g)
ただ、今は元気になっているので内臓への負担はないので様子見ればよし。
糞もきれい。鼻水の治療も1種類に減らす。
経過良好なので1か月おきに変更。何かあれば直ちに診察。
・・・本当に悪いものを全部まりんが持って行ってくれたかのよう・・・
■診察れもん:2月16日
ダイエット頑張る。餌は6gでチャレンジ。一度に全部あげず朝夕2回にわけるなど工夫する。羽は順調だが、唯一糞が今一つ。運動(放鳥)は控える。抗生物質再開。
■診察れもん:2月26日
糞はきれいになった。鼻もきれい。診察中、カメラのシャッター音の擬音を出したので私も先生も驚いた。いつの間にそんな技を?(笑)
インコは体調不良を隠す
■診察れもん:3月16日
ダイエットは今のところこれ以上増えなければOKとのこと。36.7g。(れもんは骨格が大きい部類)
風切り羽、尾羽に一本ずつ黒い羽がある・・・しかしそれ以外は順調。一進一退とも思えるが、先生は概ね順調との判断で気持ちが軽くなった。
まだ糞に細菌がいるので放鳥は控える。元気に見えるが本当は万全じゃない可能性が高い。インコは体調不良を隠すと・・・(また実感)
■診察れもん:4月1日
喉に餌を隠し持っている?またまたそんな荒業を?どうも根っからの食いしん坊れもん。
きれいな若い羽がたくさん出ている。ただ、抜けた跡もある・・換羽期っぽいのでそのせいか、病気のせいか難しい。いずれにしても風邪をひきやすいので様子は注視すること。
■診察れもん:4月22日
ここにきて、そのう・糞ともに菌が多くなってしまった。また風邪っぽいので抗生物質。
羽は引き続きたくさん生えてきているので何より。頭もほっぺも若い羽がつんつん出ているのがわかる。