私も悩みながら試行錯誤の繰り返しでしたので、その経験が少しでもお役に立てればと思い、ウロコインコの雛の飼育日記を公開することにしました。
★まとめ動画★
ブログ記事を動画にまとめました。動くかわいい雛ちゃんの姿をたっぷりご堪能ください!
ひすいの記録〔はじめに〕
ウロコインコの雛ひすいの、生後36日目から90日目の実際の飼育日記です。
生後どのくらいで、どのような行動の変化があるのか。
生後日数・挿し餌量(回数)・体重の相関表(グラフ)を公開しています。
飼育器具、タイミング、餌の分量などはブリーダーさんと相談しました。それらをふまえてご紹介します。
ウロコ雛飼育を経験した感想
とにかく可愛すぎです!
そして、インコの中でも丈夫で有名なウロコインコだけあって、雛でも骨太感というか明らかに力強さがあり、常に元気もりもりでバタバタ動き回る(遊びまくる)姿は本当に天使そのものです!
咬まれると泣くほど痛い!
逆に、それだけ力が強いので雛でも咬まれると本当に痛いです・・・足の掴む力も半端なく、指にめり込み「爪痕」が残ります。
後でわかりましたが、雛だから余計に痛かったようです。成鳥になるにつれ、咬む力や掴む力をコントロールできるようになるようです。(実体験)
結局、成長になってからも咬まれている・・ということでもありますが(笑)
ウロコインコは咬むインコという話は有名ですので覚悟はしていましたが、指の絆創膏が絶えない時期がありました。(生後10か月頃)そのお話はまた別途。ウロコさんのガブリに比べたら、セキセイさん、オカメさんのガブリなんて、まるで撫でられているよう・・・
やはり大変です
8時間ごとの一日3回の挿し餌から一人餌になるまでは、気苦労も含めて本当に大変でした。仕事とインコ飼育の両立は家族の協力(自分以外の協力者)なしでは不可能ということを改めて実感。
生き物に失敗は許されませんので、協力者がいない場合のお迎えは一人餌になっている子を強くおすすめします。インコはとても賢いので、愛情をかけると、雛、成鳥関係なくその人をパートナーと受け入れてくれます。実際、ほぼ一人餌でお迎えした他の子たちもその後よく懐いてくれました。
挿し餌飼育の「刷り込み」を利用した考え方だけにとらわれないように、と思います。
ひすいお迎え〔概要〕
プラケース in ケージ がベスト
お迎え後1週間(生後42日目まで)は温度管理がしやすいプラケースで様子を見ました。いずれ引っ越す予定のケージの中に、プラケースごと入れておいたので温度管理もばっちり。
ケージは、前面の網を外してビニールカバーをかけています。住環境のお世話はとても効率的でした。
ケージ内でヒーターも稼働中です。
プラケースの中
画像はお迎え直後なので、ブリーダーさんの飼育環境と同じバードマット(床材)を敷いていましたが、徐々にキッチンペーパーに移行しました。糞の色など異常を発見しやすいのでおすすめです。
■低めの止まり木
■ヒーター、温度計、水差し類
ひすい挿し餌
ベビーフードはフォーミュラのみ
生後36日目(お迎え)~生後47日目まで
1日3回(5時、13時、21時の8時間サイクル)
生後48日目~生後49日目まで
1日2回(12時、21時)
分量・温度
一人餌チャレンジ
シードへの一人餌チャレンジ
生後50日目から
スプーンで挿し餌風にするなど工夫もしながら開始
なお、生後37日からシードに慣らすために撒き餌は実施。ペレットも併用。
雛飼育三大イベント〔ケージ引越・初飛行・一人餌〕
ケージの引っ越し
生後43日目、74.3g、挿し餌1日3回
ひすい初飛行
生後46日目、72.4g、挿し餌1日3回
一人餌への切り替え
生後50日目(前日夜67.4g→当日昼64.2g→夜66.1g)
雛飼育の注意点
やっぱりインコは強がり
インコはたとえ病気になっても平気なふりをします。弱みをぎりぎりまで見せません。弱っていると思われる=真っ先に捕食されるという自然界において、本能として「平気なふりをする」のがインコです。どうしても病気の発見が遅れがちになるインコの飼育において、体重測定や糞便の点検・観察は毎日必要になります。
飼育に正解はない
生体の個体差や環境の違いという意味もありますが、そもそもインコの飼育はまだ不明な部分や認識の不一致も少なくないです。感染症対策など含め最新の情報を常に意識してください。どんなペットでも同じですが、愛鳥の健康観察は重要です。
そして思い込みや知識に頼りすぎず、目の前の愛鳥から学ぶことこそが大切と、経験的に実感しています。
雛の成長のポイント
これを知っているのと知らないのとでは、かかわり方が大きく異なりますので参考にしてください。
初飛行に向けて体重が減る
初飛行の時期が近くなると体重が減ります。これは飛ぶために体が準備をするそうです。
一人餌になったタイミングは体重が減る
ベビーフードは水分量が多いので、一人餌になるとどうしても体重が減ります。それでも、理由をそれと決めつけずにしっかり鳥さんの様子をチェックすることが大切です。とくに、一人餌の移行期は緊張感が高いです。
その子にあった飼育方法
なお、一人餌にうまく移行できず、いつまでも水分の多いベビーパウダーで育てると、十分な栄養が不足してしまい、雛の骨格に形成にも影響してしまうと聞きました。
だからと言って焦りは禁物です。別のインコでは90日くらい挿し餌で過ごし、その後元気に育っているということも聞きました。要は、個体ごとの個性に相性のよい飼育方法を見つけることが大切です。マニュアルを意識しすぎて愛鳥の状態を観ずに型にはめるだけの飼育方法は過度なストレスのリスクにもなります。ストレスは小動物にとって命にかかわります。
一般的に・・
一般的に、生後一年半くらいかけて骨格が形成されるので、徐々に体重は増加していき、その子の平均体重が決まるそうです。
ウロコ雛飼育の体重変化
雛の体重変化データ
うちでは2回ほど大きく体重が減りました。1回目は初飛行前、2回目は一人餌直後。
参考にひすいの飼育データをアップしました。
そして一人餌以降は体重がなだらかに減少し、ひすいの場合は挿し餌期からマイナス10gほどで安定しました。(90日以降はまた増えていく)
ブリーダーさんにも聞いてみましたが、1歳までに65gくらいで安定するのが一般的なようです。おおよその目安になるかと思います。ちなみにひすいは1歳で68gほどで落ち着きました。
雛のお迎えに関して
正直、挿し餌3回必須の挿し餌期の雛のお世話は本当に大変ですので、繰り返しになりますが「お迎えするなら、ひとり餌できるようになってから」がおすすめです。協力者がいない場合はとくに・・
インコは頭が良いので、愛情たっぷりに接すれば間違いなく懐いてくれます。我が家の他のセキセイインコもオカメインコもほぼ中雛でお迎えしましたが、どちらも手乗りでよく懐いてくれています。
・・というだけではあまりに寂しいので、どうしてもベビー雛をお迎えしたい方へのフォローとして・・(ベテランの方には物足りないかもしれません)
挿し餌計画
挿し餌と一人餌移行期のタイムスケジュールは綿密に計画する必要があります。生後35日くらいの場合一日3回の挿し餌が必須なため、8時間おきの挿し餌計画となり、家族など自分以外の身近な協力者は必須です。
アドバイザーの存在
気軽に相談できるアドバイザーがいると心強いです。飼育に詳しい方や病院の先生など。私の場合はブリーダーさんでした。
鳥を診られる病院
掛かりつけの病院、そこまでのインコの運搬方法など事前に準備しておきます。
時期
お迎え時期は、気温と湿度が比較的穏やかな季節を選びましょう。
健診・検査
お迎え時のDNA検査や健康診断、定期健診なども必須です。お迎え当時から病気の子も正直います。それを認識できていないまま飼育を進めることは皆が不幸になってしまいます。
私がウロコインコの雛をお迎えした理由
インコ仲間の急逝
悩んだ末の選択でした。
オカメインコのぷりんが気管支を患い急逝し途方に暮れていた頃に遡ります。
仲間がいなくなったことに気づいた様子で、一緒に飼っていたセキセイインコのれもんの様子が明らかにおかしくなりました。
全く鳴かなくなり、食も細くなってしまい・・・体重が減り、抜け殻のような状態に。
そこで、悩んで悩んで色々相談して・・・祈るような気持ちで後輩インコのお迎えを決めたのです。
結果的に、このときお迎えしたウロコインコのひすいとれもんの相性がバッチリで、れもんは見る見る回復し、日々調子よく先輩風を吹かせることになります。
そういう意味ではひすいは我が家の救世主なのです。
逆に、相性が合わなくてもどうにかしようと腹を決めていたので、拍子抜けな安堵もありました。
ブリーダーさんに相談
ちょうどブリーダーさんの下に数羽のウロコインコの雛がいたこと、ウロコインコは愛玩小鳥の中ではかなり丈夫な種類とも聞いていたので、病気インコのお世話が続いていた私にはすでに大きな選択肢となっていました。
元々、ベビー雛をお迎えするつもりはなかったのですが(れもんやぷりんは中雛でお迎え)相談していたウロコインコ=雛、だったのも理由のひとつです。
じっくり相談し、結局その中の一羽をお迎えすることになります。
それがウロコインコのひすいです。ショップで唯一ものすごい勢いで私に突進してきた雛ちゃんです(笑)
家族の協力が得られたこと
これはとても大きいです。家に誰もいない状況にならないように妻と学生の子供と入念に「在宅シフト」を組みました。もちろん自分の休日も「雛のお世話中心シフト」です。在宅ワークなどない時代でしたのでなかなか大変でした。
相談環境
すでに、かかりつけの鳥専門医とつながりがあり、ブリーダーさんとも電話でも気さくに相談できる状態だったことも後押しとなりました。